1,000倍カレー





高校3年生の冬
進路が決まり別々の地で学生生活が始まる友人と 町に名前を残そうと
地元にあるカレー屋さん“カレーハウス キャロット“の
1,000倍カレーに挑戦しました

通常の辛さよりも1,000倍辛いカレーを食べるとお店に名前を書いてもらえるのです
名前が書かれている光景は今までお店に行ったことがなかったので
挑戦当日に知るのですが
壁に貼られた模造紙に大きく挑戦成功者の名前が書かれていました
上には上がいて 1,000倍よりも辛いカレーを完食した方々の名前もありました
みなさん外国の方でした

挑戦日の前に私たちは
名前を残すというミッションのために 辛いカレーを食べ終えられる準備をしました
高校の図書館で辛さの対策を調べ “辛いものを食べる前に牛乳を飲むといい、緑茶もよいらしい” という情報を得ました
そのほかに箱ティッシュ を持参しよう
これはスポーツだよね!ジャージで行こう と約束をし 当日をむかえます

その日は 雪の降る日でした
お客は私たちだけだったと思います
(途中でいらっしゃったのかな)

1,000倍カレーを注文しカレーが到着しました
オレンジ色をしていて 嗅いだことのない香辛料の香りがしました 
緊張とワクワクと面白さと
一皿にカレーとご飯がのっていました
辛い部分の容量を増やさないためにカレーのかかっていない白米から食べよう
と私たちは白米から食べ始めました
いよいよカレーです できるだけ冷ましてから食べよう
そのあとは壮絶な戦いでした
辛いよりも“いたい“
泣きながら 笑いながら いたいと言って食べた記憶です

私たちは一緒に挑戦成功しました
(友人から連絡があり 食べ終えた後私たちは ハイタッチをしたそうです)

後日談
私は次の日から高校を1週間ほどお休みしました (笑い話です)
学生生活3年ほどカレーが食べられなくなりました
あの日がとても特別で楽しかったので 悲しくありませんでした
(今はカレーが好きです)

大学に入学して半年以上過ぎた頃
母が母の友人とカレーハウス キャロットに行った際にお店の奥さんから
あの日のこたち 大雪の日に来てとても印象に残っているんです
といろいろ話してくれたそうです

カレーハウス キャロットは1年または2年後にお店を閉めてしまい
模造紙上の自分の名前を確認しに行くことは叶いませんでした

その何年後でしょうか地元のタウン誌 「こーひーかっぷ」を
一緒に挑戦した友人が送ってくれました 「P40を見るべし。」
ありました私たちの名前が
「こーひーかっぷ」に載ることは知らなかったので とてもうれしかったです







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